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居酒屋

 中央線沿線の居酒屋で、よく語られるのが、井伏鱒二だ。彼は阿佐ヶ谷の住人で、駅周辺の飲み屋に出没していたという。彼が有名だったのは昭和30年代で、太宰治、火野葦平、三好達治、伊藤整といった戦後活躍した文豪達が、阿佐ヶ谷会という会合を持ち、彼の周りに集まった。井伏は将棋が好きで、へぼ将棋を打ち合ったり、古美術鑑賞、飲み、また、文学談義に花を咲かせた。焼き鳥屋も好みだったが、それらのお店はもう残っていない。阿佐ヶ谷会が開催されたのは、駅北口のピノキオという中華料理店、これはもう無い。阿佐ヶ谷は彼の住まいのあったところだから、必ずしもここばかりで飲んでいたばかりではない。井伏鱒二は大久保から中野、阿佐ヶ谷にかけての居酒屋によく独り酒を飲んでいた姿が目撃されている。平成5年に95才で亡くなるまで、生涯酒を愛し続けた。遺骨は天沼教会に納骨されているが、クリスチャンという話は聞いた事が無い。ノミスチャンなら分かる。井伏の行った大久保のくろがねは、大久保通り沿いの春山外科の先、中野北国は南口ロータリーから丸井側の路地の一角。大久保の新宿よりの路地には立ち飲みカウンターの店などもあって、5年程前よく行った。
 今は血糖値が高いので日本酒は控えている。中野坂上の立ち飲みワインバー、プチ小西には週2〜3回行く。ここは大体3〜5千円、時々1万円前後の良質のワインをグラスで飲ませる。一本買うと一人で早く飲まなければならないので、自分にはちょうど良い。特に発泡性のシャンパン一本丸ごとは今の体には良くない。
 ここの社長の戸谷さんはワインやチーズの専門家とも親交が広く、時々セミナーなども開いてきた。4年程前、シチリアワインの会と、マディラワインの会に行ってから気に入って通っている。体調を2年前に崩してからはワインは赤白2杯で打ち止め。その代わり味わって飲んでおり、フランスワインの葡萄品種は分るようになって来た。連続してピノノワールを飲み続けた。赤のガメイとかメルロー、シラーは分かり易い。シャルドネ、リーズリング、ゲブルツトラミネールの白も容易に分かる。イタリアワインのサンジョセーベとかも味分けられる。スタッフのNさんはフランスのワイナリーに1年間修行し、フランスワインには詳しい。チーズは何種類も食べたが昔から知っていたもの以外の銘柄を覚えない。
  三台目のシェフはフレンチが専門。パルマ産やイベリコ豚の生ハムもあるが、凝ったフレンチの惣菜が出る。甘鯛の塩竈焼きとか、鴨のコンフィなど、家では作れない品々で、季節の素材を調理してくれる。チーズは7〜8種から3品選ぶか1品かだ。木曜日などは奥の立ち飲みバーが満員になる。いつも奥のカウンターで席を作ってくれる。閉店間際に入り、最後に店を出る事が多いのでスタッフにはご迷惑だろうが、いつも気持ち良く送り出してくれる。もう4年くらい通っている。
美味しかったワインと、シェフ
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by katoujun2549 | 2009-12-11 15:19 | グルメ | Comments(0)